▍加川日向子 個展
 - Daphne / Seedless grape -

2023年11月28日(火)〜12月3日(日)
12:00~18:30 初日は13:00より。最終日は16:00まで
 

▍ご挨拶 

ギャラリー美の舎では1128日(火)より加川日向子 個展 - Daphne / Seedless grape - を開催いたします。
皆様のご来廊をお待ちしております。
 

▍作家より  個展によせて

「ダフネー」と「種無しぶどう」という2つのテーマについて
オウィディウスの『変身物語』では、クピドの矢を受けたアポロンの熱烈な好意から逃げ疲れたダフネーが、父神に頼んで月桂樹の樹へと変身します。クリスティーヌ・ド・ピザンが描いたとされる写本装飾において、頭部だけ樹となった姿でアポロンの目の前を横切るダフネーは、まるで理性や意思表示の権利を剥奪され、肉体という女性性のみを残された屈辱的な姿のようにも見える一方、悠々と歩く様子は誇りと強い意志を感じさせ、厳しい差別の中をサバイブしようとする人々をエンパワメントする存在として捉えることもできます。
「種無しぶどう」は人間によって種ができないよう品種改良されたぶどうです。生殖機能を奪われたぶどうは、ただ人間が食べるためだけに存在しています。子どもを作ることをしない/できない人間を種無しぶどうのようなものとして考えるとき、彼らは何によって生殖機能を失ったのか、また種無しぶどうとして生きることは(社会、国家において)罪なのか、そのように生きるのは何のためなのか、といったさまざまな疑問が浮かびます。
ダフネーや種無しぶどうに喩えられる人々・物事を描くことは、私にとって世界について考えるのと同じことなのです。

「2 人のダフネー」 2023 年 紙にリトグラフ  21x16cm

 

「静かな森」 2022 年 キャンバスに油彩  120x170cm

▍プロフィール

1997 東京都生まれ
2016-2020 東京藝術大学 美術学部 芸術学科美学専攻
2020-2022 同大学院 美術研究科 版画第2研究室
2022-2023 東京藝術大学 版画第2研究室 教育研究助手
 
[展示歴]
2018 ビーナスを綴じる(アートコンプレックスセンター/東京)
2021 絵画の筑波賞2021 東京藝術大学推薦出品(西武池袋本店/東京 ほか)
  その場合、わたしは何をする?〜版画のひきだし〜(藝大アートプラザ/東京)
2022 修了制作展「BLUE AND GREEN」(東京藝術大学/東京)
  横浜シティポップ(そごう横浜店美術画廊/神奈川)
  初個展「Watermelon」(GALLERY b. TOKYO/東京)
  うとうとうとと(月光荘/東京)
  シブヤスタイルvol.16(西武渋谷店美術画廊/東京)
  NEWS展(東京藝術大学/東京)
2023 かいじゅうの目(須賀川市民交流センターtette/福島)
  ハチ公プロジェクト(西武渋谷店美術画廊/東京)
  シブヤスタイルvol.17(西武渋谷店美術画廊/東京)

▍福徳寿男 小作品展

2023年12月5日(火)〜10日(日)
12:00~18:30 初日は13:00より。最終日は16:00まで
 

▍ご挨拶 

Gallery美の舎では12月5日(火)より福徳寿男小作品展を開催いたします。
福徳は河や橋の見える風景などを油絵で描きます。長い画業の中、今回は久しぶりの個展です。
皆様のご来廊をお待ちしています。

言問橋 油彩
 
朝潮運河 」油彩